ゲーミングPCが欲しいと思った時、多くの人はBTO(受注生産)パソコンを検討するでしょう。確かに手軽で安心な選択肢です。
しかし、私は断言します。最高のゲーム体験を求めるPCゲーマーなら、一度でいいから「自作」すべきです。
なぜなら、PC自作とは単なるパーツの組み立て作業ではないからです。それは、CPUやグラボといったパーツの役割を学び、自分だけの「最適解」を見つけ出す知識を得られ、トラブルも乗り越える問題解決能力を身に付けることができるからです。
この記事では、高校時代から15年以上PCを自作し続けてきた私が、「なぜ自作PCが最高なのか」という理由と、数々の失敗から学んだ「後悔しないパーツ選びの考え方」、そして現在メインで使っているパソコンの構成まで、全てを語り尽くします。
目次
- 1 私がBTOではなく「自作」を選ぶ3つの理由
- 2 【私の失敗談】初心者がやりがちな、パーツ選びの3つの罠
- 3 【2025年現在】これが私が使用しているPC:パーツ構成と選定理由
- 3.1 CPU: [Ryzen 5700X]
- 3.2 マザーボード: [ASRock BM550M Pro4]
- 3.3 メモリ: [CORSAIR CMK16GX4M2A2666C16 8GBx2 & CRUCIAL CT2K8G4DFRA32A 8GBx2]
- 3.4 グラフィックボード: [Palit GeForce RTX 4070 Ti JetStream 12GB)]
- 3.5 ストレージ(SSD): [キングストン SSD KC2500 & JNH S720D-2TNVHS 2TB]
- 3.6 電源ユニット: [MSI MAG A750GL PCIE5 (750W)]
- 3.7 PCケース: [Fractal Design Define R5]
- 3.8 CPUクーラー: [DEEPCOOL AK400]
- 4 まとめ:PCを「学ぶ」ことで、あなた自身が「成長」する
私がBTOではなく「自作」を選ぶ3つの理由
「自分だけの最適解」を追求できる自由度

ゲームによって必要なパソコンのスペックは違います。複雑なAIや物理演算を処理するゲームはCPUが重要になるし、美しいグラフィックで大量のキャラクターが表示されるゲームはグラボが重要になります。
BTOでは選べるパーツの幅に限りがありますが、自作なら組み合わせは自由なので、そのゲームに最適なパソコンを用意できます。
パソコンへの「愛着」が深まる

パソコンは高い買い物です。PCを自作をする人は、決められた予算内でどのパーツが自分にとって最適か、様々なサイトで調べたり友人にアドバイスをもらいながらパソコンを組み立てるでしょう。
がんばって自作したパソコンが無事に起動したり、快適にゲームが動作した時の感動は、自作PCにしかない魅力です。
長期的に見れば、実は「経済的」である

PC自作経験がある人は、パーツが故障したり性能不足になったとしても、必要なパーツだけを交換したり、アップグレードできるようになります。
新しくパソコンを自作する際も、使用していたパソコンからどのパーツが使いまわせるかも分かり、余計なものを買わなくて済むようになり経済的です。
【私の失敗談】初心者がやりがちな、パーツ選びの3つの罠
なによりも耐久性は大事

名前は伏せますが、耐久性が不安なメーカーはあります。とあるグラボを購入しましたが、買って一カ月もしないうちに故障してしまいました。
メーカーに連絡して返金してもらうことはできたので良かったのですが、過去に同じメーカーのキャプチャーボードも故障していました。パーツが故障すると、予備のパーツがなければパソコンが使えなくなってしまいます。
自作するほどの人がパソコンが使えないのはかなりのストレスです。壊れない安心感があるからこそ楽しくゲームができるので、パーツを購入するときは耐久性に優れたメーカを選びましょう。
冷却性能や静穏性もチェックすべき

昔、GTX1070のリファレンスモデル(GPUメーカーが設計した基本設計通りのモデル)を購入しました。当時最新のグラボですので性能は良く、バイオハザードRE2を遊ぶには十分の性能でした。
しかし、リファレンスモデルは比較的安価ですが、オリジナルモデル(各グラフィックボードメーカーが独自に設計したモデル)と比べると冷却性能や静穏性が劣ります。
ゲームをしているとグラボの温度がどんどん上昇していき、ファンの音もどんどん大きくなり「温度が原因でグラボが壊れないか?」「ファンの音がうるさい」などが原因で、ゲームに集中できませんでした。
グラボが壊れることはありませんでしたが、パーツを購入する際は性能だけでなく、冷却性能や静穏性も確認しましょう。
パソコンは性能のバランスが大事

以前i7-7700KというCPUを使用していました。当時としてはゲーム性能の良いCPUでしたが、実際にゲームをしていると思ったよりパフォーマンスが出ませんでいた。
原因はマザーボードでした。CPUへの電力供給性能が低く性能を発揮できなかったのです。一つのパーツの性能が優れていても、他のパーツが足を引っ張るので、自作する際は性能のバランスにも注意しましょう。
【2025年現在】これが私が使用しているPC:パーツ構成と選定理由
CPU: [Ryzen 5700X]
IntelのCPUは反り問題があったのでAMDでコスパの良いCPUを購入することにしました。また、引越し直後で予算に限りがあったので、安価でゲーム性能の良いものを探していました。当時は30,000円ぐらいでしたが、値下がりして25,000円だったので購入しました。
安価なCPUですが、サイバーパンク2077やバイオハザードRE4も快適に動作します。
マザーボード: [ASRock BM550M Pro4]
マザーボードは他のパーツの性能が発揮できるものを選びます。今まで使用していたメモリを流用して、追加で購入したメモリも使いたかったので、規格がDDR4のメモリスロットが4個あるものが欲しかったです。
安価なMicro ATXの小さいマザーボードですが、最新のグラボに対応していてメモリスロットが4個あり、CPUも消費電力の少ないモデルならこれで充分なので購入しました。
メモリ: [CORSAIR CMK16GX4M2A2666C16 8GBx2 & CRUCIAL CT2K8G4DFRA32A 8GBx2]
メモリは正直容量が足りていれば、ゲームパフォーマンスにはあまり関係ないので耐久性で選べば大丈夫です。CORSAIRとCRUCIALは定番のメーカーであり、耐久性も問題なさそうなので購入しました。
CORSAIRのメモリは8年前に購入しましたが、今でも問題なく動作しています。
グラフィックボード: [Palit GeForce RTX 4070 Ti JetStream 12GB)]
サイバーパンク2077を快適にプレイしたくて購入しました。基本性能の高さはもちろん、DLSS3.0に対応していてフレーム生成により圧倒的パフォーマンスを発揮してくれます。
他にも候補のメーカーはありましたが、他社と比べて価格が10,000円ほど安価でありながら冷却性や静穏性は引けを取らない素晴らしいグラボです。ゲーム中もよく冷えて音も静かなので集中できます。
今まで買ったパーツの中で一番満足度が高いです。
ストレージ(SSD): [キングストン SSD KC2500 & JNH S720D-2TNVHS 2TB]
キングストンの製品はデータセンターや企業のサーバーに使われている実績があり、信用性の高いメーカーです。少し前のSSDなのでやや速度は劣りますが、システム用としては十分で耐久性も良いです。5年間の保証があります。
JHNは知らないメーカーでしたが、2TBで13,000円と低価格でありながら読み込み速度が7200MB/sと高速でヒートシンクも付属しているので購入してみました。
耐久性は不明ですが、ゲーム専用に使用しているので最悪データが消えてもパソコンが使えなくなるわけでないし、5年保証がついています。
電源ユニット: [MSI MAG A750GL PCIE5 (750W)]
容量は使用しているCPUとグラボの消費電力を考えたら容量は750Wぐらいがベストで、フルモジュラー式で余計なケーブルがないので配線が楽になります。電源効率も良いので電気代が多少安くなります。
主に日本製の高品質なコンデンサが使用されており、保証期間も7年間あるので安心して使えます。
PCケース: [Fractal Design Define R5]
電源ボタンが上面の手前にあり、すぐ横にUSB端子が4個ついていて使いやすいです。10kg以上の重量があり、剛性・静穏性共に優れたPCケースです。
拡張性も良く、HDDを最大8台、またSSDを最大10台まで搭載可能で、最大440mmまでのグラボにも対応しているので、ハイグレードの長いグラボも収まります。
CPUクーラー: [DEEPCOOL AK400]
低価格の定番CPUクーラーで、静穏性・冷却性共にバランスが良いです。ハイグレードのCPUだと力不足ですが、Ryzen 5700Xはそこまで発熱するものではないので、このCPUクーラーで充分です。
まとめ:PCを「学ぶ」ことで、あなた自身が「成長」する

これまで語ってきたように、PC自作は確かに少し面倒で、最初は失敗もします。自分は電源周りの配線がよく分からず、パソコンが起動しませんでした。
しかし、分からないことを自分なりに調べ、試行錯誤の末に解決した時、あなたは単なる「知識」以上のものを手に入れます。それは、自らの力で問題を乗り越えたという「自信」と「問題解決能力」です。
そして、自分の手で組み上げたパソコンが圧倒的なパフォーマンスでゲームを動かした瞬間の感動は、その全ての苦労を吹き飛ばすほどの、何物にも代えがたい原動力となります。
この記事が、あなたの「自作」への第一歩を踏み出す、きっかけになれば幸いです。